皆様、新年明けましておめでとうございます!
Resarteは、2024年1月8日(月)にResarteを設立してから念願だった初めてのワークショップイベントを無事開催致しました。アートやケア(心理療法)に対してご関心を抱いている方を対象に、アートセラピーを始めとする「心のケア」や「アート」について学び・体験する、体験型アートワークショップ「アートセラピーについて考える/体験する」を開催し、総勢13名の方に参加者としてイベントに出席して頂きました。
本ワークショップの主題であるアートセラピーは、クリエイティブシンキング、自己肯定感の醸成、ストレス緩和、認知症予防等への効果が期待されており、医療、福祉、教育、芸術等、多様な分野にて現在注目されている、表現(アート)の力を活用した心理療法です。アートセラピーを始めとする心のケアは、心の治療を目的としたものだけではなく、今や健康な人々に対しても自己対話、自己成長としてその用途が多様に広がっており、エンパワーメント型のセラピーとして国際的にも注目されています。この背景を受け、本ワークショップにて人々がアートを通して心のケアへと興味・関心を持つ新たなきっかけを創造できればと思い、Resarteとしてイベント企画を行いました。
ワークショップでは、学芸員資格を保持し、認定NPOカタリバキッカケプログラムのヤングケアラーメンターとしてご活躍されている緒方理彩さんを講師としてお招き致しました。合計2時間のイベントの中で、前半は緒方さんによるアートとケアに関する講義、後半はアートセラピー体験というプログラムで進めました。ワークショップ前半の講義では、ヤングケアラーとして居場所作りに携わる立場である緒方さん自身の実体験から、心のケアに対するアートが持つ様々な効果や可能性についてお話を伺いました。更に、「ケア」を題材としたアート作品を作成するアーティストへの緒方さん独自のインタビューを踏まえ、「ケア」を表現する上でのアーティストの視点や考え方、そして葛藤など、「ケア」に対して抱くアーティストの方々の様々な複雑な思いや心境を分析してお話し頂き、参加者と一緒にアートを用いたケアのかたちやあり方を多角的な面から考える場となりました。

ワークショップ後半では、前半の講義・議論を踏まえた上で、参加者の方々に今度は実際のアートセラピー体験として簡単なアート制作をしていただくことで、ケアに対してより理解を深める機会となりました。アートセラピー体験では、自身の「こころ」、「呼吸」と向き合う自己との対話の場として、自身のありたいと思う「こころ」の形を石けんへと、参加者の方々それぞれ思い思いの作品を自由に彫って、作成して頂きました。皆さん夢中になって終始作業に没頭しており、心を表現した抽象的な形から、何かをモチーフとした具体的な形など、多種多様な作品が生まれていました。作成後は、どうしてそのような作品を作ろうと考えたのか?実際に作成してどうだったか?など、参加者と緒方さんの対話を通して、参加者の方々が自身に対する新たな気づきや視点を得るきっかけとなっておりました。
アートセラピー体験での石鹸を用いたアート制作の様子
イベントの参加者の方々からは、ワークショップを通してケアに対する理解が深まった、アート制作を通して自己と向き合うことができた、素材と対話することができた、などのお声を多く頂きました。アートを用いたケアに対する参加者の方々の理解や興味・関心を、本ワークショップを通して促進することができ、Resarteとしては、アートと学問を融合させた発信活動を実行していく上で、今後の活動に対する大きな進展・成果を得る貴重な機会となりました。本イベントにて講師を務めていただき、多大なご協力をいただいた緒方さんには、Resarteメンバー一同大変感謝しております。
世の中では新年早々、北陸の地震や航空機事故など、心痛むようなニュースが連日立て続けに起こり、不安な年の幕開けとなりました。こうしたある日突然襲ってくる心痛むような悲しい気持ちや、不安な気持ちに対して、本ワークショップで実施したアートセラピーは、いざという時にどのように自身の心と向き合い・ケアするのか、日頃から考えておく一つのきっかけになるのではないかと思います。今後も、アートセラピーを始めとするアート関連の様々なワークショップイベントを開催していきたいと考えておりますので、引き続きResarteの活動にご注目していただければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します!